北海道旅行

1ヶ月ほど北海道を放浪してきた。

東京で、1ヶ月で4万円しかしない格安レンタカー借りて、新潟、秋田、青森と北上。フェリーで海を渡り、函館に上陸。ラッピ(ラッキーピエロ)とはこんなに美味いのか!と驚きながら北海道行脚は始まった。5月も半ばの頃だ。


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登別でクマを見て風呂に入り、苫小牧で釣りをしてヒトデ2匹と海藻とゴミを釣った。夕張の廃墟を巡り、富良野と美瑛で観光らしい観光をして、層雲峡でキャンプ泊。鹿を死ぬほど見たが、僕はまだ生きている。道の駅?のような野菜直売所で買ったタラの芽を天ぷらしたら、イスから落ちるくらい美味しかった。

網走で監獄を見て、屈斜路湖のほとりの半島でキャンプをして山登りをした。斜里岳に登るつもりがギリギリまだ山開きしておらず雌阿寒岳に切り替えたのだが、これも登山初心者には相当な難題で「死ぬかも」と思ったよ。特に九合目で履いてた靴の底が抜けたときは、脳みそがグルグル高速回転して、このルートを選べばこういうリスクがある、こういう選択をすればこういう落とし穴があり得る……と、様々な自分の死に方を考えたものです。

釧路で湿原を渡り、カヌーで川を下った。根室で最東端・納沙布岬を制覇し、ただ強風に打たれた。お土産物屋さんでやっすいカニの鉄砲汁を飲んだけど、美味し過ぎもなくすごい安いわけでもないその普通の味噌汁は「これこそ旅」って感じがして印象に残ってる。そんなに美味しいものばかり食べなくたっていい。


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帯広で食べたインデアンカレー。本当にちょうどいい美味しさ。全国区に打って出るにはインパクトもないし決め手にかけるが、質実剛健に美味い。誰もが懐かしさを感じるおいしさ。最北端・稚内を攻めて、日本最北の温泉民宿に泊まったが綺麗なホテルより新しいペンションよりここが一番いい宿だったな。南下して旭川でラーメン食って動物園寄って、今さらながら札幌へ。その後小樽を巡って、再び苫小牧・登別へ。一ヶ月の旅も終わり、帰りのフェリーを待つのだ。
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なーんもない原っぱに、ぽつんと張られたテント。ここで寝たんだ。翌朝早起きして登山に行こう……と思ってたんだけど、朝起きたらあたり一面霧に包まれてて、ラジオでも「道内全域に濃霧注意報が……」。これまで1ヶ月、次からつぎへと予定を入れてせわしなく飛び回っていたけれど、北海道離脱の最終日になってみてはじめて「足止め」。それで仕方なく、お気に入りのキャンプ用のローチェアに座って本を読んだり、テントやテーブルを丁寧にお掃除したり、"ヒマ"を味わっていた。

1ヶ月も北海道をウロウロしていて、躁病的にあちこちを飛び回り、天気の変化に即応しつつ最短効率で移動と観光を繰り返していた。1ヶ月も北海道でのんびりする……と言いながら、ほとんど「忙しい」と言ってもいいくらいの行程。そこへきて、最終日に突然現れた足止め。この時間が、一番よかった。